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「High and dry(はつ恋)(よしもとばなな/文藝春秋)」

 書店に並べられているイメージで、表紙や中の絵がとてもカラフルでかわいい感じだったので、はつ恋にキュンとする物語だと思って図書館から借りてきた。
 よくよくみるとそれほど"カワイイっ!"という絵にも思えなかった。
 内容はキュンというより、きゅーんという感じ。はじめは、またかー…と思ったのだけれど次第に登場人物たちに引き込まれていった。夕子ちゃんがとても大人びているなと思っていたら、本文に返えが書かれていた。 良い名前、夕子ちゃんの語りだから読みながら夕子ちゃんの名前を意識することは少ないのだけれど、台詞の中で不意に呼ばれたり、とくにキュウ君に呼ばれたりすると、夕子の夕の色がさあっと広がるようだ。寂しくもあって暖かくもあってキレイで遠い。
 流れは、夕子ちゃんが子どもに戻って大人に成長する話し、である。単なる、はつ恋、じゃなくて、夕子ちゃんのはつ恋、ね。

by maokon | 2005-07-13 00:00 | 読書ランニング

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